俄歩
高嶺を歩けなくなったいまでも 「自然と向き合える体力 自然を味わえる感性 自然に応えられる知力を大切にしたい」  という心根は持ち続けていたいものです
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俄歩人 (がふと)

Author:俄歩人 (がふと)
高嶺は2013年9月の槍ヶ岳が
最後となりました。
いまは 季節の移ろいを想い出
の地に求めて彷徨しています。
年に一度、写真集「岳と花」を
記載。
(さいたま市 浦和 在住)



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黒川鶏冠山
 北に奥秩父の唐松尾山や笠取山、南に甲州の大菩薩嶺、この両山塊に挟まれて 古の戦国時代 
武田家の戦費を賄った甲州金山で有名な黒川山(1710m)と鶏冠山(1716m)がある。

東京の奥多摩町から山梨の塩山(甲州市)へ抜ける青梅街道(大菩薩ライン)の最高点、柳沢峠から
静かな雪道を歩いた。
帰途、黒川金山にまつわる悲話の「おいらん淵」に立ち寄ってみた。

P1000458.jpg P1000463.jpg
黒川山           鶏冠山                (写真はクリックして拡大してください)

「山行クロニクル No.49」  黒川山 鶏冠山      単独
’09.12.15(火) 浦和=首都高速・中央道勝沼IC=大菩薩ライン柳沢峠~六本木峠~横手山峠
             ~黒川山~鶏冠山~柳沢峠=青梅街道=圏央道・関越道=浦和

 西高東低の気圧配置 寒気の強まる中、いつもより少し厚着をして早朝出発。
中央道経由で柳沢峠の市営駐車場 8時30分着。曇天。既に標高1400mを超える峠の気温は
氷点下3度。
登山者の車は他に1台もなし。 今日も静かな一日になりそう。

P1000432.jpg 柳沢峠駐車場

「ブナのみち」と名付けられた混交林の間を縫う散歩道のような雪道を坦々と歩く。
下部は雪を被った一面の笹原。

P1000433.jpg P1000435.jpg P1000441.jpg
平坦な雪道の登山道                   熊の生息地が記入されている

 大菩薩嶺に至る丸川峠への尾根道を分ける六本木峠までアップダウンの少ない雪道は、
10~20cm程度の積雪だが、何人もの踏み跡で圧縮されガチガチに凍ってつるつる。
トレースを避け つぼ足で歩く。

 両側の混交林の樹種は豊富で ミズナラ ブナ マユミ イタヤカエデ リョウブ ダケカンバ モミ等の
他にハリギリとかミズメなど幹に付けられた名札ではじめて知るような木々もみられた。
既に落葉した闊葉樹は 樹皮と枝ぶりだけでは判別するのが難しい。

                 はじめて知見を得た木々P1000438.jpg P1000437.jpg

 六本木峠で大菩薩嶺への道を分け 次の横手山峠へと向かう。

P1000442.jpg P1000447.jpg
六本木峠          横手山峠

 横手山峠から その昔、黒川千軒と呼ばれるほど金鉱掘りで賑わった鉱山跡への捲き道は 
崩落のため、通行禁止になっていた。
この峠から黒川山へはカラマツとモミの植林帯、熊の爪痕が生々しい。

P1000448.jpg

 熊鈴の音が聞こえ、下山してくる三人の林業関係者とすれ違う。
話を聞くと「間伐している時は問題ないが、登山道の往復時はチームのうち一人は鈴を付ける決まりだ」
という。

 11時、凡庸な黒川山、山頂着。
三角点のある小広場は木立に囲まれ視界が無く 見晴らし台まで足を伸ばす。
小さな岩塊の見晴らし台から周囲を眺めるも 低く雪雲が垂れ込め眺望はない。

P1000449.jpg P1000457.jpg P1000451.jpg
山頂標識          見晴らし台         雪雲が垂れ込める

 この鞍部にある山頂標識、鶏冠山(黒川山)と記され、奥宮のある本来の鶏冠山山頂へは 
ただ鶏冠神社としか表示されておらず、わかりにくく甚だ納得がいかない。
昼食を済ませ、指呼の間の鶏冠山を目指す。雲が切れ 嬉しいことに陽がさしてきた。

P1000477.jpg 間近で仰ぐ鶏冠山

 鶏冠山山頂へは登り20分ほどであるが かなりの急登。
北側へ廻り込みながら木の根と岩を掴み攀じ上がる。雪は少ないがアイスバーンにひどく苦労した。

 鶏冠山は岩峰、山の景観も雰囲気も黒川山よりはるかに好もしい。
山としての格調が感じられ、満足。

P1000474.jpg P1000468.jpg 鶏冠山 山頂

P1000471.jpg P1000469.jpg 奥秩父や奥多摩方面の眺望

 山頂の岩場でひとときを寛ぐ。
微風 静寂 日溜まり、そして展望とコーヒー。

 12時過ぎ下山にかかり、帰途の六本木峠付近からはようやく大菩薩嶺がその全容を顕す。
こちら北側から見ると結構な三角錐で、見慣れた南側から眺めたときの全体が尾根のような
あの茫洋さは無く、ちょっと見直した。
 
P1000481.jpg 北側から眺めた大菩薩嶺
                (山行クロニクルNo.27 大菩薩嶺 を覗いてみてください)

 尾根道の樹種の豊かさとちょっとした岩峰の鶏冠山、春秋には訪なう人の多い山であろう。
2時半、柳沢峠を後に青梅街道を丹波山村に向かい、途中の黒川金山にまつわるおいらん淵に
立ち寄った。

 武田家滅亡ののち 黒川金鉱の秘密を守るため、閉山時にこの多摩川の上流 柳沢川の崖に
高桟敷を設けて酒宴を開き、酒席に侍らせたおいらん(遊女:花魁)共々 川に落とし、
口封じをしたと伝えられ、おいらん淵の名がいまも残されている。

P1000485.jpg P1000487.jpg P1000484.jpg
おいらん淵                         説明文           
                                  (写真はクリックして拡大してください)


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テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ


この記事に対するコメント

 こんにちは! 雪のある静かな山歩きをされたのですね。
柳沢峠は、植物に興味を持った10年ほど前に仲間と出掛け、お花が多くて
また行きたいなあ・・・と思っていた場所です。
そこから登る鶏冠山・・・いいお山のようですね。
来シーズンは出掛けてみたいです。

 樹木は成長過程で木肌が大きく違い、難しいですね。
ハリギリの新芽は今年初めて天ぷらで頂きました。結構美味しかったです。
【2009/12/16 23:29】 URL | キレンゲショウマ #- [ 編集]


俄歩人さん
こんにちは
鶏冠山ですか。。。
渋いです
柳からだと大菩薩がメジャーだと思っとりました

牛首や大黒茂、小室川はよく行く渓流なんで。。。
鶏冠山以前に私もお邪魔した場所でしたのでコメントさせていただきました

小室川経由だとサカリ山とかもありますが
ここら辺の山は稜線の眺めがいまいちなんで。。。


久々に行きたくなりました!!

ありがとうございます!!



【2009/12/17 00:51】 URL | jan #JalddpaA [ 編集]

キレンゲショウマさん こんにちは
 私の乏しい樹木の知識では 思わずふうーんと考えてしまうほど
樹種の多い柳沢峠でした。
 今週は近郊の山もすっかり雪景色に変わりそうですね。
独り歩きとしてはしばらく低山へと向かうことになりそうです。

 黒川山は凡庸ですが、柳沢峠からの「ブナのみち」と鶏冠山はお薦めですね。
いつもメッセージをありがとうございます。
【2009/12/17 20:13】 URL | 俄歩人 #- [ 編集]

janさん こんにちは
 いつもコメントをありがとうございます。
 泉水横手山林道から釣り上がる大黒茂谷や牛首谷は、昨年、
大菩薩嶺から眺めても それこそ鬱蒼とした原生林の黒い谷ですよね。
いかにも熊が出そうです。

 今回は、黒川金山跡も訪れたいと計画したのですが、
横手山峠からの捲き道は 崩落通行止めでした。
三条新橋~黒川谷(大久保尾根)の旧道から分け入らねば
行けないようでした。
【2009/12/17 20:22】 URL | 俄歩人 #- [ 編集]


 今晩は
 南の大菩薩嶺、北の笠取山、更に北の和名倉山等登っていますが
 不勉強でこの山の存在さえ気がつきませんでした
 報告を読ませていただいて行ってみたくなりました
【2009/12/18 19:19】 URL | noyama #B7q/.fmY [ 編集]


こんばんは。

いいところですね。山域としては大菩薩連嶺ということに
なるのですかね?
青梅街道を挟んで向こう側の奥多摩から奥秩父方面は
ほぼ足を踏み入れているのですが、こちらは未踏ですね。
大変興味深く拝見させて頂きました。
私も樹種についての知識は大変乏しいのですが、豊富
な落葉樹は自然の豊かさを感じます。
アクセスを考えても今の時期は特に静かな山歩きが
楽しめそうな山域ですね。
大変勉強になりました。ありがとうございます。
【2009/12/18 19:59】 URL | kaikom #- [ 編集]

noyamaさん こんばんは
 この鶏冠山、いろいろなルートがあり、計画では 登頂後
黒川金山跡を経て黒川谷沿いの旧道を降り、青梅街道の三条新橋へ
抜ける予定でしたが、丹波山村~柳沢峠間は 現在 バス便がなく、
断念しました。

 これからの積雪期はまったく静かな山域だろうと思います。
コメントをありがとうございました。
【2009/12/18 21:52】 URL | 俄歩人 #- [ 編集]

kaikomさん こんばんは
 大菩薩主稜とは 深淵な大黒茂谷を挟んで向かい合っていますが、
連嶺の一部といえるでしょうね。
積雪期以外は家族連れで歩くような峰ですから、
藪漕ぎのバリエーションルートを楽しむkaikomさんには ちょっと
物足りない山域だと思いますが・・・。

 丹波渓谷・三条新橋から 黒川金山跡へ寺屋敷尾根越えで
直接、鶏冠山山頂に至るルートの方がお薦めかもしれません。
コメントをありがとうございました。

 
【2009/12/18 22:03】 URL | 俄歩人 #- [ 編集]


武田信玄の金山があったのですか。歴史の勉強になりますね。おいらん淵など悲しい名前ですね。私が歩く英彦山と同じ木がおおいですね。ぶな、はりぎり、みずめ、まゆみ、みずなら、いたやかえで、りょうぶなど。
【2009/12/20 22:16】 URL | ふくちゃん #- [ 編集]

ふくちゃん さん、こんにちは
 先週は日本海気候の福岡も大雪、でも昔は福島や北関東の山々を
歩いておられるようですから、寒さにはお強いとしても
英彦山の雪はかなり湿り気を含んでいるようですね。

 根雪にならない登山道は 岩の間に足を踏み抜くことが多いですね。
大事に至らずほっとしました。

 ミズメの樹肌は特徴があり今回覚えましたが、俄か勉強では
なかなか先が長そうです。
 コメントをありがとうございました。
【2009/12/21 17:12】 URL | 俄歩人 #- [ 編集]

良いお年を
 今晩は
 昨日(12月27日) 黒川山へ登ってきました
 天候に恵まれ 展望台からの眺めは素晴らしかったです

 来年も天候に恵まれ 素晴らしい山行が出来ますようお祈りしております
【2009/12/28 22:09】 URL | noyama #B7q/.fmY [ 編集]


 森林ボランティアで活動された翌日に歩かれたのですか。
素晴らしい体力ですね、吃驚しました。
レポを楽しみに待っております。

 どうぞよき年をお迎えくださいますよう祈り上げます。
【2009/12/28 23:32】 URL | 俄歩人 #- [ 編集]


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