俄歩
高嶺を歩けなくなったいまでも 「自然と向き合える体力 自然を味わえる感性 自然に応えられる知力を大切にしたい」  という心根は持ち続けていたいものです
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俄歩人 (がふと)

Author:俄歩人 (がふと)
高嶺は2013年9月の槍ヶ岳が
最後となりました。
いまは 季節の移ろいを想い出
の地に求めて彷徨しています。
年に一度、写真集「岳と花」を
記載。
(さいたま市 浦和 在住)



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サオラ峠・三条の湯
 東京都の最高峰雲取山(2017m)の西、山梨県側に入ったところに飛龍山(2077m)がある。奥多摩側では大洞山と呼ばれている。
雲取山、飛龍山、竜喰山、唐松尾山、黒槐山のいずれも2000mを越える峰を経て多摩川の水干、笠取山
まで 東京の水源涵養林を構成しているが、この飛龍山に登るか、登らないまでも中腹の「三条の湯」に
浸ってみたいとS社の登山地図を眺めていた。

 雲取山登山口、青梅街道「鴨沢」の甲州市よりの「お祭り」からの後山林道を使えば比較的簡単に
三条の湯小屋まで入れる。念のため、丹波山村役場に連絡を取ったところ 3月末までは落石防護工事
の為、一般車は進入禁止とのこと。
林道を歩くより丹波山村から サオラ峠(竿裏峠)越えをし、三条の湯まで入ることに決めた。

2009_0207サオラ峠0048 2009_0207サオラ峠0041
サオラ峠遠景       飛龍山遠景                (写真はクリックして拡大してください)

「山行クロニクルNo.30」 サオラ峠・三条の湯         1泊2日  単独
’09.2.6(金) 浦和~青梅街道・丹波山村~サオラ峠~三条の湯(泊)
    2.7(土) 湯小屋~青岩谷出会・後山林道~お祭り~丹波山村~浦和

 青梅街道奥多摩を抜け山梨県丹波山村まで僅か95キロなのに、高速道の無い奥多摩の一般道経由
では3時間かかった。多摩川上流丹波川の対岸の村役場の駐車場 9時30分着。
登山口の「丹波」バス停まで歩く途中、消防団か水源林監視人のような制服を着た人に出会う。
尋ねられて、サオラ峠を越えて三条の湯まで と答えると 「サオラ峠はきついですよ。お気をつけて」と
言われた。

 地図の等高線を調べて覚悟はしていたものの あらためて飛龍山まで登る為のアイゼンやツェルト、
自炊用具等で膨らんだザックを揺すり挙げる。

2009_0207サオラ峠0001 2009_0207サオラ峠0002 2009_0207サオラ峠0003
丹波山村のはずれ    登山口            スギの植林帯

 S社の昔の地図ではサオラ峠まで2時間30分、最新の改訂版では1時間40分、三条の湯のHPでは
2時間と記されている。
いずれにしても水平距離3Km強で標高差約900mを稼がなくてはならない急登である。
サオラ峠(竿裏峠)、地元の丹波山村の標識では サヲウラ峠としている登山口。獣止めの柵を2度通り
抜け、スギの植林帯をしばらく歩く。1時間ほど急坂を汗して登ると樹相が自然林に変わる。

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丹波山村を見下ろす   枯落ち葉に埋もれる登山道

 ジグザグの急登を続けることさらに1時間、まだ峠に着かず 日溜りの登山道に腰を落ち着け 昼食。
丹波川を挟んで向かい側の南面に芦沢山(1272m)であろうか もう私の位置より低く見える。
食後さらに15分、笹が繁りはじめ 小さな広場のある明るいサオラ峠(1460m)、12時30分着。
飛龍山へ、三条の湯へ、天平尾根へ、丹波山村へ の十字路。

2009_0207サオラ峠0008 2009_0207サオラ峠0010 2009_0207サオラ峠0009 2009_0207サオラ峠0011
サオラ峠          北面のカラマツ林     中川翁の祠         三条の湯方面
                南面の混交林

 この峠は昔から飛龍権現参拝、狩猟や樵・炭焼きの杣人、三条の湯への湯治、さらには水源林の巡視、
などで歩かれたようで、小さな広場の一角には 造林業を営み奥多摩の主と呼ばれた中川翁を祭る
祠が鎮座していた。

 吹き抜ける風が冷たくシャツを一枚着込んで小休止、一服。4方向どちらからの登山者にも出遭わず、
午後1時、峠を越え三条の湯へ峠の北面を降り始める。

2009_0207サオラ峠0018 2009_0207サオラ峠0024 2009_0207サオラ峠0015 2009_0207サオラ峠0020
三条の湯への杣道                    雲取山南面         三つ山

 幾分降り気味の北面の登山道は薄雪と氷に覆われ幾つもの小さな沢を越えていく。ゴンゲン谷の沢
ではヘビのようにくねった丸木橋に出遭う。このあたりは紅葉の季節は素晴らしいことだろうと想う。
2時間ほどで三条の湯小屋(1100m)に着いた。飛龍山、雲取山、サオラ峠、お祭り(後山林道)への
十字路となっている。
2009_0207サオラ峠0027 丸木橋

2009_0207サオラ峠0028 2009_0207サオラ峠0037 2009_0207サオラ峠0029 2009_0207サオラ峠0034
三条の湯小屋                       三条の湯

 100人近くは泊まれるであろう三条の湯、小屋番の青年に挨拶、明日は飛龍山には登らずのんびり
後山林道を「お祭り」に降りますと記し、ザックを降ろした。
本日の宿泊者は私一人、お風呂を勧められゆっくりと湯を楽しむ。ナトリウムイオンを多量に含む源泉
10度の沸かし湯であるが、ヌルヌルとした透明な湯は皮膚病や疲労回復には効きそうだ。

 鹿肉の燻製が付いた夕食時、小屋番氏の話では この時期の平日は登ってくる人も少なく、今週は
月・水に一人ずつ 金の今日もあなた一人です。
ただ明日の土曜日はツアー登山客も含めて40人強の宿泊予約が入っているので応援をお願いし
てあります とのこと。
雲取山への登山者が圧倒的に多く、飛龍山へは少数。この湯小屋のピークはGWと紅葉の季節、
休前日は100人を越える宿泊者で溢れるそうだ。

 割り当てられた部屋は8帖、窓越しに月と星 黒い裸木が風に揺れている。一人小さな石油ストーブ
で暖を摂り、明日の三条沢沿いの降りを楽しみに就寝。


 翌朝4時、ヘッドランプを付け凍てついた星空のもとトイレ小屋まで往復。気温は氷点下2度。
石油ストーブに火をつけ5時頃まで寝床でもぞもぞする。空が白みかけた頃朝食を自炊。
小屋番氏に御礼を言い、三条沢を降り始めたのは7時半過ぎ。

2009_0207サオラ峠0038 2009_0207サオラ峠0040 2009_0207サオラ峠0046
三条沢                            凍った小滝

 この沢、紅葉の季節はとりわけ美しいことだろう。
8時前、はやくも一人の登山者と行き交う、朝暗いうちから林道を登ってきた同世代の男性。
ほどなく青岩谷出会に出て林道に着く。青岩鍾乳洞へは通行禁止になっていた。
これから先は青岩谷、御岳沢、さらに塩沢などの流れを集めた後山川に沿った林道歩きである。
途中で遠くに飛龍山の頂きや越えてきたサオラ峠を覗きながら、のんびり小鳥の囀りに包まれて降る。

2009_0207サオラ峠0041 2009_0207サオラ峠0048
遠くに飛龍山        越えてきたサオラ峠

 さすがに土曜日、単独行の青年や熟年カップルなどと挨拶を交わしながら途中の景色を楽しむ。

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わさび田           黒滝             湧き出る清水

 獣除けの犬とわさび採取用の竹籠を荷台に積んだ軽トラック、三人の助っ人が乗り込んだ三条の湯の
小型トラックなどが走り登ってくる。林道の入山ゲート付近でガイドに引率された15人ほどの団体とも
すれ違った。
青梅街道 お祭りバス停10時30分着。一日4本しかないバス便、次の丹波山村行きは午後2時までない。
村役場までバス停で7つ 6Kmほどを歩き、12時過ぎに丹波山村を後にした。

2009_0207サオラ峠0059
街道沿いの保之瀬の集落

 急登連続のサオラ峠は如何にも奥多摩の風情が感じられ、飛龍山へは6月のシャクナゲ、或いは
11月初めの紅葉の時期にあらためて登りたいと想った。
                                      (写真はクリックして拡大してください)


























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テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ


この記事に対するコメント
飛龍山
 今晩は
 雲取山は何度か登ってますが
 飛龍山は登ったことありませんでした
 サオラ峠から飛龍山 雲取山 と言うのも
 面白そうなコースですね
 冬の平日
 静かな三条の湯
 まったりとした雰囲気が目に浮かぶようです
 
【2009/02/08 20:57】 URL | noyama #B7q/.fmY [ 編集]

noyamaさん、早々のコメントありがとうございました
 このコースは紅葉の季節がお薦めだろうと思います。初めてのサオラ峠越えと三条の湯にすっかり満足し、飛龍山は見送りました。
それでも まさしく田部重治氏や木暮理太郎氏の昔の紀行文が思い浮ぶ山道でした。
【2009/02/08 22:23】 URL | 俄歩人 #- [ 編集]


俄歩人さん、お久しぶりです!

関東の方はもう春のようですね。
三条の湯小屋がとても雰囲気があっていいですね。
山登りして、温泉に入れるって本ト贅沢です♪
阿曽原に泊まった時に初めて思いました。
世の中にこんな贅沢なことがあったのか!と思うくらい(´ー`)

俄歩人さんのレポは、いつも読んでて心が和みます。
今回もありがとうございました。
【2009/02/18 11:08】 URL | RR #BS/QXebM [ 編集]

RRさん、こんばんは
 今日まで北関東 奥鬼怒の雪景色と温泉に出かけ、先程帰宅しましたので御礼が遅くなりました。すみません。こちらは滅多に雪が降らないので冬用タイヤは勿体無く、今回のように雪道へ出かけるときは専らチェーンです。(装着は結構疲れます)

 私も祖母谷や阿曾原などの湯小屋は大好きですし、山行の仕上げで源泉掛け流しの温泉は最高のご馳走と思います。いつも感想を有難うございます。
【2009/02/18 19:32】 URL | 俄歩人 #- [ 編集]


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