俄歩
高嶺を歩けなくなったいまでも 「自然と向き合える体力 自然を味わえる感性 自然に応えられる知力を大切にしたい」  という心根は持ち続けていたいものです
プロフィール

俄歩人 (がふと)

Author:俄歩人 (がふと)
高嶺は2013年9月の槍ヶ岳が
最後となりました。
いまは 季節の移ろいを想い出
の地に求めて彷徨しています。
年に一度、写真集「岳と花」を
記載。
(さいたま市 浦和 在住)



最近の記事



最近のコメント



最近のトラックバック



月別アーカイブ



カテゴリー



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



ブログ内検索



RSSフィード



リンク

このブログをリンクに追加する



真夏の谷川連嶺
 谷川連峰の中核部を一周する馬蹄型縦走を計画したが、初日の暑さに負け 2日目からは七つ小屋山・
朝日岳・笠ヶ岳・白髪門を踏む長時間の岳ルートを諦め、白樺尾根を経て 武能沢・芝倉沢・幽ノ沢・
一ノ倉沢・マチガ沢を覗きながら 清水街道を湯檜曽川沿いに土合へ降った。

P1010183.jpg P1010203.jpg P1010220.jpg
トマノ耳           タカネナデシコ と     一ノ倉沢大岩壁
                   ミネウスユキソウ             (写真はクリックして拡大してください)

「山行クロニクルNo.23」 谷川岳・一ノ倉岳・茂倉岳・武能岳        1泊2日   単独

’08年8.12(火)浦和~関越道水上IC~ロープウエィ登山口~天神平~谷川岳~一ノ倉岳~
                茂倉岳~武能岳~蓬峠(泊)
    8.13(水)蓬峠~白樺尾根~清水街道・新道~虹芝原~旧道~幽ノ沢出会~一ノ倉沢出会
           ~マチガ沢出会~ベースプラザ~浦和

 かって真夏の上越の低山は避けたほうがいいよ と忠告されていたのに、山小屋の混雑する南北
アルプスを嫌って 敢えて谷川連嶺核心部へ向かった。8月、盛夏の山行は何十年ぶりである。

8.12(火) 晴のち曇
 早朝、5時 浦和を出て谷川岳ベースプラザ8時着。ロープウエィで天神平まで。8時半、天神尾根を
歩き出す。既に真夏の太陽が白く輝き、家族連れを含めた大勢の登山者と汗を拭きふき、谷川岳の
双耳峰を目指す。
トマノ耳(1963m)、オキノ耳(1977m)を越え 登山者の少なくなった浅間大明神・奥の院の先で
11時30分、昼食。周囲はミネウスユキソウやハクサンシャジンの群落が美しい。
振り返ると両耳のピークは登山者で一杯。
往く手は一ノ倉岳から茂倉岳への稜線が迎えてくれる。

P1010182.jpg P1010186.jpg P1010191.jpg P1010193.jpg
ハクサンシャジン     ミネウスユキソウ      オキノ耳          一ノ倉岳・茂倉岳

 隠れた花の名山として知られている谷川岳、もう盛りは過ぎたと思われるのにまだ色とりどりの花々
が咲き乱れ、稜線に華やぎを与えてくれている。
17~8年前の秋、ここまでは妻と歩いたことがあったが、これから奥は私も初めて。

 一ノ倉沢に切れ落ちた痩せた岩稜、とりわけ一ノ倉岳への急登がきつそう。
薄汚れた残雪の一ノ倉沢本谷を覗きこむがハーケンを打つ音は聞こえてこない。この暑さでは
誰も魔の岩壁にアタックしていないのだろう。                
P1010194.jpg 一ノ倉沢 本谷

 じりじりと焼かれるような直射のもと 一ノ倉岳への急登を喘ぐ。
1974m、避難小屋の横の山頂標識で一服。東に笠ヶ岳、朝日岳が逆光の霞の中、西に万太郎谷の
幽谷を挟んで万太郎山と仙ノ倉山へ緑の稜線、南に谷川岳の双耳、北は指呼の間の茂倉岳、
その花の稜線を気持ちよく一人辿る。
                                P1010197.jpg P1010195.jpg
                                一ノ倉岳山頂        谷川岳を振り返る

 茂倉岳山頂(1977m)で大休止。茂倉新道を土樽へ降る登山者の後姿が小さく見える。
私の往く手、武能岳への笹原に黒く影のような筋が画かれている。伸びた笹に覆われて切明けの踏後
は定かでない。ここから笹平まで標高差400mの大降り、先行者は一人もいない。

 午後2時30分、足元の見えない笹原を歩き出す。途中、隠れた石に左足を取られ笹薮の斜面に
放り出され左膝を捻ってしまった。 鞍部、笹平で一服。タカネナデシコの群落が美しい。
向かいの東に 朝日岳、笠ヶ岳、白髪門の大壁が霞んでいる。

P1010204.jpg P1010203.jpg P1010206.jpg
武能岳への笹原     タカネナデシコ        霞む朝日岳方面
                   ミネウスユキソウ

 武能岳へ登り返し、やっと今日の目的地 蓬ヒュッテの小さな黄色の屋根が濃緑の笹原に浮かんで
見えた。
                P1010209.jpg P1010213.jpg P1010214.jpg
                武能岳山頂         笹原に浮かぶ蓬ヒュッテ

 小休止後、背丈ほど伸びた笹やぶをかき分けかき分け 左膝を庇いながら最後の汗を掻く。
腰ぐらいの笹原ならまだしも肩を超える笹藪は結構厄介だ。
5時 ようやくヒュッテ着。小屋番氏に挨拶し 着替える。先着者は一人。
本日の泊まりは二人のみ。真夏は谷川連嶺中核部一周の馬蹄型縦走する人は少なく、この時期の
泊り客は少ないとのこと。

 膝の調子はあまり好ましいものではなく、この先清水峠を越えて朝日岳方面のアップダウンはきつそう。
それにこの暑さ。弱気になり 翌日は白樺尾根を経て湯檜曽川に降り連嶺東面の岩場と沢を覗きながら
土合へ向かうことに決める。

 夕食後、雲が低く垂れ込め 夏のペルセウス座流星群は見られそうもない。
仙台から来たという同年輩の隣人と東北の山と温泉、とりわけみちのくの鄙びた湯の良さを話しながら
8時就寝。この小屋の寝具はシュラフ。

8.13(水) 晴
 6時、朝露の笹原をびしょびしょになりながら白樺尾根へ歩き出す。
笹原とガレ場が交互する何とも歩きづらい踏み跡。
白樺避難小屋で清水街道に入り、闊葉樹林の下 やっと歩きやすくなり、一組4人のパーティとすれ違う。
旧道を分け、新道をとり武能沢を徒渉して湯檜曽川の河原に降りる。
冷たい川水で顔や手を洗い涼をとり活き返る。
                               P1010216.jpg P1010217.jpg
                               湯檜曽川          幽ノ沢

 芝倉沢を経てJR監視小屋から旧道へ登り返し、幽ノ沢を右手に見て一ノ倉沢出会まで
水をがぶ飲みしながら再び汗まみれで林道を歩く。

 一ノ倉沢出会、この岩壁で逝ってしまったクライマー達の 露岩に刻まれたレリーフがもの悲しい。
扇をひらいたような半円状の大岩壁、一ノ倉沢。
中央右側に衝立岩正面壁や烏帽子沢奥壁。左側には滝沢リッジの上部にA~Dのルンゼが・・・
中央の本谷には奥壁中央壁が立ちはだかっている。
まさしく若きクライマーを魅了して止まない岩壁だ。
その上に昨日歩いた上州と越後の国境稜線が見え、一ノ倉岳がとりわけ高く聳えている。

                                               P1010220.jpg
                                               一ノ倉沢大岩壁

静かな真夏の岩肌が無音で屏風を立てている。
風も無い。ここに挑んだ岳人の想いが伝わってくるようだ。
通行規制で車が入れない駐車場にテントが3張り、ベースプラザから歩いてこの景観を眺めに来る観光客
がチラホラ。

 小休止の後、真夏の太陽に焼き上げられながら 舗装された自動車道をトボトボ歩く。
膝に響き 足裏も痛い。
マチガ沢を覗きベースプラザ 11時着。
谷川温泉の日帰り湯で汗を流し3時には浦和へ戻った。

 真夏に歩くには私には長丁場だった初日、山を味わう余裕がともすれば失われがちだった。
それでも オキノ耳から一ノ倉岳・茂倉岳への花の稜線、武能岳への笹原、そして一ノ倉沢出会から
見上げた無音の岩壁が素晴らしかった山行だった。

P1010208.jpg P1010182.jpg
堅炭尾根 中芝新道の大降り                    (写真はクリックして拡大してください)













 



関連記事

テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ


この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
http://yoshiyama.blog115.fc2.com/tb.php/23-49c1aede
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)