俄歩
高嶺を歩けなくなったいまでも 「自然と向き合える体力 自然を味わえる感性 自然に応えられる知力を大切にしたい」  という心根は持ち続けていたいものです
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俄歩人 (がふと)

Author:俄歩人 (がふと)
高嶺は2013年9月の槍ヶ岳が
最後となりました。
いまは 季節の移ろいを想い出
の地に求めて彷徨しています。
年に一度、写真集「岳と花」を
記載。
(さいたま市 浦和 在住)



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雪の 丹沢
DSCF1771.jpg  DSCF1774.jpg 春の雪に埋もれた 塔ノ岳 山頂
(写真はクリックして拡大してください)

「山行クロニクルNO.19」 丹沢
’08年3月19日(木)~3月21日(土) 2泊3日  単独

3.19(木)浦和~東名秦野中井IC~ヤビツ峠~札掛(泊)
3.20(金)札掛~長尾尾根~新大日~塔ノ岳(泊)
3.21(土)尊仏山荘~花立~大倉尾根~大倉~札掛~浦和

3.19(木) 首都圏に住みながら丹沢山塊は初めて。東麓ヤビツ峠の北、もう宮ヶ瀬湖に近い
札掛から 長尾尾根を越えて塔ノ岳(1491m)~丹沢山(1567m)~蛭ヶ岳(1673m)まで主脈を
歩こうと計画。
蛭ヶ岳山荘の登山情報で 登山道からは一部を除いてほとんど雪が消えたという19(木)に浦和を
出て札掛へ向かった。気象条件は余り良くなく、太平洋上の低気圧の動き次第。
札掛は雨に淋しく煙っていた。
DSCF1768.jpg 

 夜、さらに新しい低気圧が発達しながら太平洋上に という情報、気圧配置も最悪。
今夜の宿は丹沢ホーム、オーナーのN氏は NPO法人「丹沢自然保護協会」の理事長。宿泊者は
私一人。毎月発刊している「丹沢だより」を前に、協会の活動や今年のシロヤシオの開花予想などを聴く。

3.20(金) 早朝6時、蛭ヶ岳山荘へ現状を聞くため電話を入れたところ、現在 猛吹雪。小屋周辺
で既に積雪30cmを越えているとのこと。
主脈三山縦走はとても無理と判断、とりあえず塔ノ岳までを目指すことにし、7時30分、ヤマグリの実
と枯葉を敷き詰めた長尾尾根に取り付く。
 上ノ丸を過ぎて鹿の防護ネットの柵を2回抜け尾根に出る頃から スギやヒノキの梢が大きく揺れる
強風。ミゾレ交じりの吹雪となった。

DSCF1769.jpg みぞれのブナ林

 標高1000m付近、樹相の美しいブナの林を過ぎると 猛烈な吹雪。トレースの無い登山道は湿った
新雪で膝上まで積もり、ツボ足で歩くピッチはまるで上らない。

DSCF1772.jpg  DSCF1773.jpg

 1200mの小ピークを過ぎて新大日までの尾根は真正面からの吹雪に逆らい、吹き溜まりを避けながら
一歩一歩前進。新大日の小屋が営業していればゆっくり休憩しようとそればかり考えていた。
11時30分、新大日着。標準2時間半の登りを4時間かかった。
無常にも小屋は閉鎖中。しばし小屋陰で休む。
この先はおそらくラッセルが必要となりそう。独りで体力が持つかどうか。少し戻って境沢経由で撤退
するか 思案。 塔ノ岳 尊仏山荘まで標準行程40分、3倍の2時間とみて前進と決めた。

 木ノ又大日では腰までの雪。ストックで雪を掻き 膝で崩しラッセル。
出来るだけ雪の深い登山道を避け、左右の土手の雪の薄いところを雑木に摑まりながら攀じる。
苦闘 2時間30分、塔ノ岳山頂。尊仏山荘によたよたと転がり込む。
午後2時、札掛からなんと6時間半を要した。

DSCF1775.jpg  DSCF1776.jpg 雪の塔ノ岳山頂

 オーナーH氏に迎えられ、真っ白に変色した指先を暖める。
小屋には大倉尾根を登ってきた30代の若者がひとり自炊をしていた。私に食欲は無く、持参のウイスキー
をお湯割りにしチョコレートを舐める。
3時過ぎ、三人の若者が大倉尾根を登ってきた。今夜の泊まりはこの5人。皆、自炊の素泊まり組と
あって、オーナー氏も飲み仲間に加わり一緒に歓談。氏は鹿児島出身とて薩摩の芋焼酎を2本も提供
してくれ、皆で盛り上がる。私以外の若者は皆30歳前後、なかなかの好青年揃い。
 三人組は同じ職場であったが、この春、二人が転職するのでその記念にこの丹沢へ登って来たと
語っていた。丹沢名物のシロヤシオはだいたい4年毎に盛花となるようで 今年より来年に期待している
とH氏は言う。

 戸外は相変わらずの猛吹雪、20メートル以上の風が小屋をギシギシ揺する。登って来たトレースは
はや新雪に埋まって消え、吹き溜まりは1メートルを越えた。
皆、翌日は丹沢山まで足を伸ばすことを諦め下山すると言う。私も比較的雪が少ないと思われる大倉尾根
を降ることに変更、青年達のトレースの跡を歩かせて貰うことにした。
オーナーの好意で大型ストーブをガンガン焚き、消灯時間を延長、9時まで楽しい宴会は続いた。

3.21(土) 早朝5時、まだ風雪は強い。朝食後明るくなった頃から雪は止んだ。
7時30分、好青年4人の後に続き小屋を出る。

DSCF1778.jpg  DSCF1779.jpg 青空が覗き始めた山頂

 ツボ足でトレースをつけてくれた最後尾を歩かせてもらい、花立へ。
途中アイゼンを着け凍った急坂を降りながらも周囲の雪景色を楽しむ。雪の消えた天神尾根分岐からは
気遣ってくれた青年達に御礼をいい、先行してもらい、雲の切れ間に時折覗く太陽を浴び、一人のんびり
シカとの出会いを楽しむ。昨日の苦闘が嘘のよう。

DSCF1781.jpg

 登山口 大倉着、11時15分。
先着していた青年達と生ビールで乾杯。バスで渋沢駅へ出る彼らを送り、タクシーで札掛まで車を
取りに戻った。
 雪を避けたつもりの山歩きが単独ラッセルのおまけ付きの登山となった。ハンドルを握る指先が
まだジンジンと痛む。

 
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