俄歩
高嶺を歩けなくなったいまでも 「自然と向き合える体力 自然を味わえる感性 自然に応えられる知力を大切にしたい」  という心根は持ち続けていたいものです
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俄歩人 (がふと)

Author:俄歩人 (がふと)
高嶺は2013年9月の槍ヶ岳が
最後となりました。
いまは 季節の移ろいを想い出
の地に求めて彷徨しています。
年に一度、写真集「岳と花」を
記載。
(さいたま市 浦和 在住)



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北穂高岳
 もう穂高行もこれが最後になるかな・・・と、縦走などと気負わず、北穂単独と決め9月末に
浦和を出発。
涸沢の紅葉は2年前に比べ幾分見劣りしたが、北穂頂上から、滝谷の大岩壁を覗き 夕方は
ブロッケン現象を久し振りに体験できた。

P1010385.jpg P1010365.jpg P1010341.jpg
涸沢カールの紅葉と穂高の峰々           北穂頂上のブロッケン現象
                滝谷の朝
                                     (写真はクリックして拡大してください)

「山行クロニクルNo.24」 北穂高岳         単独

’08年9.29(月)浦和~長野自動車道松本IC~坂巻温泉(泊)
    9.30(火)温泉~上高地~横尾~涸沢・涸沢小屋(泊)
    10.1(水)小屋~北穂沢~北穂高岳・北穂高小屋(泊)
    10.2(木)小屋~涸沢~横尾~徳沢・徳沢園(泊)
    10.3(金)上高地散策~坂巻温泉(泊)
    10.4(土)温泉~浦和

9.29(月) 小雨の中、上高地から入山する時の定宿・坂巻温泉の湯宿に着き、車を預け前泊する。
釜トンネル手前のこの湯は高温の含硫黄・塩化物泉で いつもながら旅心を醸成してくれる。
 たまたま夕食時に 西穂からジャンダルムを越え奥穂を縦走してきた青年と隣席になり、前日
稜線で降った雪の状況を教えてもらった。うっすらと1~2cmの化粧ですぐ消えるでしょう とのこと
だった。
                                P1010285.jpg P1010422.jpg
                                坂巻の露天風呂     温泉前の廃道となった
                                                旧道と梓川渓谷

9.30(火) 曇天、シャトルバスで上高地へ。
平日の朝の河童橋は静かで、背景の奥穂や西穂の峰々は雲で閉ざされていた。
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朝の河童橋         梓川の清流

 横尾まで通いなれた梓川の左岸を坦々と歩く。明神岳も前穂高岳も雲の中。
横尾で昼食を作り、横尾谷に入り屏風岩を左に見て本谷橋で小休止。結構、入・下山者で賑わって
いる。
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屏風岩           本谷橋 

 遠くに涸沢カールの上部雪渓が望めるところまで来て再び一服。2年前に比べ雪渓は小さい。
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涸沢カールの遠景

 涸沢ヒュッテと涸沢小屋の分岐、紅葉のトンネルを抜け 池の平の石畳へ飛び出す。ここまで来ると
いつも息があがり牛歩となる。
P1010303.jpg P1010304.jpg P1010305.jpg
涸沢分岐          紅葉のトンネル      涸沢小屋

 涸沢小屋 3時着。カールの雪渓はほとんど消え、また紅葉も貧弱。
ここ1週間、急激な気温の低下によりナナカマドは黄葉から赤く色づくことなく、既に葉を巻いて褐色に
なってしまっているものが多い。

今年の涸沢の雪渓と紅葉               ’06年同時期の雪渓と紅葉
P1010306.jpg P1010384.jpg 2006_101606奥穂高・涸沢岳0019 2006_101606奥穂高・涸沢岳0025
                              (「山行クロニクルNo.4紅葉の涸沢と初雪の穂高岳」
                              を覗いてみてください)

 小屋責任者の話では、2年前のこの時期は珍しいほど残雪が残り、紅葉も素晴らしかったので
あの時は特別でしたよ・・・ということだった。確かに趣がまったく違う。
 テラスで生ビールを楽しんでいると 夕方4時過ぎ、小さな子供がリュックを背負ってトコトコ石畳を
登ってくる。30mほど遅れて保護者らしき年配者が・・・、小さな子供は時々立ち止まり「おじいちゃん、
頑張って!」と声をかけていた。
この祖父と孫のカップルに また北穂高岳の頂上で再会しようとは その時は思わなかった。

 その夜は中高年三人のみの相部屋でゆっくり。星も見えない夜だったが、明日はどうやら天候は
回復しそうだった。

10.1(水) 早朝は小雨と猛烈なガス。
今日は北穂沢を登り、頂上小屋泊まりなので しばらく様子を見る。
雨が上った8時過ぎ、北穂沢の急登に足を踏み出す。

 歩行距離は短いものの標高差800m、中間のクサリ場まで1時間30分、ようやくガスが切れて
涸沢岳や奥穂、前穂の頂が望めるようになった。
目的の北穂は南稜のピークに隠れて見えない。大休止の後、まず南稜への急登を攀じる。

P1010315.jpg P1010312.jpg P1010317.jpg
涸沢岳から奥穂高岳   北穂南稜への急登    北穂のドーム

 いつもの15キロに念のためのアイゼン、ザックの重さが堪える。二組のパーティに先を譲る。
北穂高岳頂上、12時半着。標準時間を大幅にオーバー。
まだ、西からの風にガスが流れ、西方の笠ヶ岳や北方の槍ヶ岳方面は展望が効かない。
一旦、小屋に挨拶、テラスで昼食を作る。

 3時前に頂上に戻り 滝谷の大岩壁の写真を撮っていると、子供のカン高い声。
「おじいちゃん、頂上だよ!」 やあまた会ったね と声をかけると、いろいろ話をしてくれた。
「タクミ」君という名の小学校1年生。3000mの山はこれで7山目だと言う。
「富士山でしょ、立山、北岳、乗鞍岳 えーとそれに槍ヶ岳、うーんと・・・」 と。
「福岡から新幹線で来たの」
 明日は涸沢岳を越えて白出しのコルからザイテングラートを降る予定とか。すごいもんです。
嬉しくなって頂上で一緒の写真を撮りました。
P1010326.jpg 「タクミ」君 と彼の黄色いザック

 チビ君の手足の届かない岩場など、ベテランおじいちゃんのサポートは大変なものだったろう と思う。
この「タクミ」君と祖父の名コンビの登山は、いつかテレビ局のドキュメンタリーに収録されるかも・・・。

 夕方4時過ぎ、何年ぶりかでブロッケン現象が見られた。
デジカメでもこの程度に撮れたのは幸いだった。

P1010335.jpg P1010341.jpg
北穂頂上でのブロッケン現象(自分で写していたのでバンザイは出来なかった)

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夕方の滝谷        南岳への大キレット    雲間に覗く槍の穂先

 岳人憧れの滝谷大岩壁の真上にあるこの北穂高小屋、学生時代に読んだ「穂高を愛して二十年」
の著者 小山義治氏が戦後まもなく兄弟で建てた個性ある山小屋である。
今日も静かにクラシック曲が流れている。
現在の小屋は 一昨年亡くなられた小山氏の後を継いだ二代目の方が管理されていたが、氏の志を
そのまま受け継いでいるようである。

 夕食後の室内では 「タクミ」君と居合わせた中高年女性達の「茶摘唄での手合わせ」や
「あっち向いてホイ」などの遊びが続いていた。3000mの山小屋では初めての光景だった。
深夜は北斗七星が見事に輝いていた。

10.2(木) 快晴。
 常念山脈の東、遠く雲海に浮かぶ浅間山と八ヶ岳の間から朝日が昇り、北アルプス北部の峰々が
見渡せた。ああ、あそこを歩いた時はこうだったなあ・・・と過去の山行の想い出が次々と蘇ってくる。
P1010355.jpg P1010365.jpg
朝日             滝谷の朝

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槍ヶ岳            笠ヶ岳            黒部源流の山々     後立山連峰

 涸沢岳越えをする「タクミ」君とおじいちゃんを見送り、再び 北穂沢を降った。

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奥穂高岳から前穂高岳  涸沢岳から奥穂高岳 下山中見上げた北穂高岳 涸沢岳と涸沢槍

 涸沢小屋で休憩、涸沢から横尾への降りは入山者が多く 待機、待機の連続だった。
徳沢で懐かしの徳沢園に泊まりたくなり、大部屋が空いているのを幸いにザックを降ろした。
大部屋は 奥叉白の池へ登るパーティや長壁山から蝶ヶ岳方面へ向かう組が多く、賑わっていた。

10.3(金) 
 りんごを齧りながら上高地をゆっくりと散策、
明神で 北穂沢ですれ違い会話したカメラマンに、また、戻った坂巻の湯宿では 北穂小屋でご一緒
した宮崎からのご夫妻とも再会、穂高の懸崖の美しさなど 今回の山行の余韻を楽しんだ。

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梓川左岸から見た明神岳・前穂高岳         嘉門次小屋        穂高神社奥宮
                明神橋と明神岳

P1010407.jpg P1010408.jpg P1010410.jpg P1010412.jpg
化粧柳と焼岳       ウリハカエデ        岳沢と穂高の峰々    観光客で一杯の河童橋

                                      (写真はクリックして拡大してください)












  








   





 

                                        


 




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