俄歩
高嶺を歩けなくなったいまでも 「自然と向き合える体力 自然を味わえる感性 自然に応えられる知力を大切にしたい」  という心根は持ち続けていたいものです
プロフィール

俄歩人 (がふと)

Author:俄歩人 (がふと)
高嶺は2013年9月の槍ヶ岳が
最後となりました。
いまは 季節の移ろいを想い出
の地に求めて彷徨しています。
年に一度、写真集「岳と花」を
記載。
(さいたま市 浦和 在住)



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黒部源流の山
 二十年前、妻と雲の平へ行こう と新穂高温泉から入山、鷲羽乗越まで歩いたが、一両日続いた豪雨
の為、雲の平への登り口 黒部源流の沢が増水して徒渉出来ず 三俣で停滞。
翌日、三俣蓮華岳へ登り、そのまま新穂高温泉へ引き返したことがあった。 当時はまだ現役時代故、
日程が限られていて眼前の鷲羽岳越えをする余裕すら無かったので、今回は鷲羽岳登頂と新たに埋め
込まれた黒部源流の碑を見ること、さらに 三俣蓮華から双六まで稜線をのんびり歩いてみようと
7月、海の日の三連休を避けて入山した。

P1010085.jpg P1010111.jpg P1010170.jpg
鷲羽岳           イワギキョウ        鏡池の逆さ槍  (写真はクリックして拡大してください)

「山行クロニクル No.22」  鷲羽岳・三俣蓮華岳・双六岳
                                    5泊6日   単独
’08年7.22(火)浦和~中央道松本IC~安房峠~新穂高温泉(泊)
    7.23(水)新穂高温泉~秩父沢~鏡平山荘(泊)
    7.24(木)鏡平~弓折岳~双六小屋~巻道ルート~三俣山荘(泊)
    7.25(金)三俣~鷲羽岳~黒部源流~三俣山荘(連泊)
    7.26(土)三俣~三俣蓮華岳~丸山~双六岳~弓折岳~鏡平山荘(泊)
    7.27(日)鏡平~新穂高温泉~浦和

7.22(火) 晴。
 事前計画では黒部五郎岳や笠ヶ岳も廻ろうと9日間の日程を組んだので、着替えや多目の食糧を
詰めたザックは小屋泊まりでも17キロ。私には過重であったが、一日の行程を短くして、夏山を存分に
味わおうと新穂高温泉 佳留萱山荘に前泊。
中部地方最大の露天風呂を楽しむ。 源泉温度87度 炭酸水素塩泉、掛流し。
                                           P1010051.jpg 露天風呂

7.23(水) 曇り。
 のんびり8時過ぎ 宿を後に新穂高温泉バスターミナルまで車を走らせるが、蒲田川の左俣、中崎
山荘の上に昔あった登山者用の駐車場はすべて西穂ロープウェイ用の時間制料金の駐車場になって
しまっていた。やむなく少し戻り、深山荘の駐車場に車を置き、ターミナルで入山届けを提出、
9時10分、左俣林道を歩き始めた。

 早朝の涼しいうちに皆 登って行ったのだろう、薄日の林道はもう誰も歩いていない。
笠新道を左に分け わさび平小屋で冷えたトマトを一個調達、齧りながら小池新道を坦々と歩く。
秩父沢で小休止。何人かの下山者と挨拶と情報を交換し、山道に分け入る。
ベニバナイチゴの深紅の花を愛でながら、シシウドヶ原への道で振り返ると 雲の切れ間に笠ヶ岳が
美しい。
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秩父沢雪渓        ベニバナイチゴ       笠ヶ岳遠景

 まだ雪田のままの熊の踊り場を経て鏡平山荘、2時30分着。
ラッシュの三連休が過ぎ、小屋は比較的閑散としていた。生ビール片手にテラスで槍・穂の岩稜を
期待するが、雲にしっかり閉ざされていた。まあ 帰途の楽しみとする。
明日歩く西方の抜戸岳から弓折岳への稜線は鮮やかな緑に覆われていた。
一人一畳、星の無い夜を過ごした。

7.24(木) 曇り。
 6時15分、弓折への急登を喘ぐ。17キロは私には重い。
稜線に出ると、昔はなかったクロユリベンチや雪田上に花見平などの標識とベンチが設けられていた。
ここのクロユリはまだ単花で若い。ハクサンイチゲ ダイモンジソウの白、ミヤマキンポウゲ ミヤマ
キンバイ シナノキンバイの黄、ハクサンフウロ コイワカガミ テガタチドリのピンク、トリカブトの紫
など、色とりどりの花々が眼を楽しませてくれる。

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ハクサンイチゲ      ダイモンジソウ

P1010078.jpg P1010090.jpg P1010089.jpg
ミヤマキンポウゲ     ミヤマキンバイ       シナノキンバイ

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ハクサンフウロ      テガタチドリ         トリカブト

 双六岳の頂は雲に隠れて見えないが、双六池や小屋が眼前に現われる。
池の周囲にはチングルマ コイワカガミ クロユリ、テン場には4張りほど。双六小屋で昼食を作り大休止。
北方前面に秀麗な鷲羽岳が大きく そしてワリモ岳、水晶岳と続き 期待が膨らむ。
東に樅沢岳への急登、往く手西は双六の肩への急登。北方遠くには、昨秋歩いた大天井岳が望まれ
その張り出しの大きさに改めて感じ入った。

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双六池と小屋       鷲羽岳~水晶岳      大天井岳遠景 

 西風が強まり雲が嶺々を覆い始めたので、三俣までは双六岳頂上からの稜線ルートを避け、花の巻道
ルートを選んで踏み出す。かって、妻と花々に見とれた静かな道だ。
往く手左に見る稜線の北側はまだ残雪がベッタリ。今年は5月に降った雪が残り、この巻道の沢も
雪渓で覆われ、一面の花畑にはなっていない。さらに どうやら花つきも思わしくない年のようだ。
アオノツガザクラやチングルマも群落が小さく あまり元気がない。
すれ違う人達も何となく寂しげだ。時折、イワヒバリやホシガラスを見かける。

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稜線北側の残雪     アオノツガザクラ

 三俣蓮華岳直下の分岐点 背後の蓮華岳と顔前の鷲羽岳を交互に眺めながら一服。
眼下のハイマツの海が懐かしく好もしい。小雨がパラつき出した中を三俣山荘、1時30分着。テン場は
3張り、夏場でも最近はテント泊は少ないのかも知れない。
 今夜も一人一畳は大丈夫とのことでホッとして、乗越のハイマツの海を散策。
明日からのルートを検討する。天気予報はまったく悲観的なので、当初計画の鷲羽岳~ワリモ岳~
北分岐~祖父岳~黒部源流~黒部五郎小屋の行程を諦め、停滞と決めた。

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鷲羽岳近景        三俣蓮華岳         雲の平登り口・祖父岳

7.25(金) 曇り、のち雨
 雨の落ちないうちにと、朝6時、一面のガスの中をサブザックで鷲羽岳をピストン。
急登の岩場にしがみつくツメクサ、イワギキョウの可憐さが眼を瞠らせる。
7時30分、頂上(2924m)着。空身同然のサブザックだと まだ標準時間で登れるんだ と ちょっぴり
自信を回復。しかし、山頂は全方位ガスに包まれ、360度全て山しか見えない筈の期待した眺望は
得られなかった。

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タカネツメクサ       イワツメクサ        イワギキョウ

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鷲羽岳山頂         ワリモ岳

 しぶとく40分余り待機。時折、指呼の間のワリモ岳はその姿が覗けるが その先の水晶(黒)岳や
近くの真砂岳すら見えない。この間、裏銀座方面から縦走して来る人も無く情報も聴けない。
諦めて下山。山荘で小休止後、黒部源流の沢へ降りてみた。
 まだ雪で覆われた源流の沢のちょっと小高い窪地に 赤御影石で造られた黒部源流の碑があった。
昭和62年に設置したと記してある。実際の源流点からは随分下流に建ててしまったような 中途半端
な感が否めなかった。
残雪が多く、雲の平への登り口 徒渉ためのスノーブリッジは崩壊寸前、かなり雪渓上部への高巻きを
強いられていた。

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源流の碑          源流の一筋         コバイケイソウ

 雲の平から降りてきた単独行者と出遭う。
今年の雲の平は静か過ぎて寂しいという彼に問われて 双六への稜線ルートは午後は雷雨になりそうです
と答える。
12時30分、小屋に戻り自炊の昼食。そして薫り高い小屋のコーヒーを楽しむ。このおいしいコーヒーは
連泊の間、3杯もお代わりをしてしまった。持参のコーヒーはとても敵わない。

 1時過ぎ、突然の豪雨。大粒の雨が小屋を叩く。入山3~4日目ぐらいになると パンツ一枚でタオル
片手にシャワー代わりにゴシゴシやっていた若い頃が懐かしい。
3時過ぎからは猛烈な雷雨になった。稲妻が縦横に走り雷鳴が轟く。稲妻と雷鳴の秒差は1秒も無く
小屋から距離にして1Kmと離れていない範囲を通過している。
次々と登山者が雷を避けて小屋に飛び込んでくる。
ずぶ濡れで蒼褪めた女性陣も小屋の土間に入って やっと頬に赤みが戻ってくる。この雷雨では
稜線上は水平に走る稲妻でどうしようもない事だろう と思う。
黒部五郎小屋まで足を伸ばさず正解だったようだ。

 オーナーの伊藤氏夫妻と歓談、その後夕食まで読書。
連泊の夕食は別メニューでもてなしてくれた。天気予報は明日も芳しくなく、残念。

7.26(土) 曇り。
 6時10分、三俣蓮華岳への道を辿る。まだザックは重い。
食糧も減り、行程が短いので水も減らしたのに15キロ近い。越中・飛騨・信州の三国境、三俣蓮華岳
頂上(2841m)で一服。
黒部五郎小屋から来た男性二人連れ さらに単独行の男性と一緒になる。いずれも折立から太郎平に
登り、ダイヤモンドコースを縦走してきたとのこと。

 山頂はガスに巻かれ、往く手の稜線も視界は得られない。北面の残雪と足元の花々が慰めてくれる。

P1010081.jpg P1010133.jpg P1010148.jpg P1010126.jpg
クロユリ           ハクサンチドリ       ミヤマリンドウ       キバナシャクナゲ

 山頂標識の無い丸山(2854m)を経て、花畑の中を双六岳へ向かう。
期待した雷鳥にも遇えず、双六岳山頂(2860m)へ。黒部五郎からの中年男性二人組みと会話を
楽しみながら、相変わらずのガスに包まれ、大休止。
                                                P1010138.jpg
                                                双六岳頂上

 展望を諦め、肩の台地をケルンに導かれながら 土曜日とて入山者の多い中を双六小屋へ降った。
ビールを飲みたいのを堪えて、牛乳と定番のラーメン。この先 鏡平泊まりと決め、1時間ほど休む。
再び入山時と同じルートを弓折岳へ向けて足を踏み出す。
雲間に時折 双六岳の頂上が覗く。弓折から先 抜戸岳は雲の中。

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双六岳            弓折岳           樅沢岳

 鏡平山荘、1時45分着。こんなに早い時間なのに小屋前のテラスはカラフルな登山者で満杯。
小屋番氏に聞くと、6ツアー100人強の団体が予約しているとのこと。
昔、妻と共にお世話になった名物の部屋割り担当のお爺さんに 2階の隅の一畳をあてがって貰い
装備を解いた。

 夕食まで三俣蓮華岳から相前後して来た二人組みと単独行の方々と待望の生ビール飲みながら
山行の会話を楽しんだ。
二人組みのうち お一人はつい一ヶ月前の強震で崩壊した栗駒山中 駒の湯近くの出身。
もうひと方は 私と同じ埼玉 川口市に在住されている という。
ここ十数年、二人でずっと山行を楽しんでいらっしゃるそうだ。

 夕方、西陽に映える槍ヶ岳が雲間に覗き 名勝の「鏡池に映る逆さ槍」を撮るチャンスに恵まれた。
鏡平から槍ヶ岳は1000mの標高差、いかにも屹立している実感を味わう。
聴きつけた多勢の俄かカメラマンで鏡池前のテラスは一杯に埋まる。早々に場所を譲り、小屋の2階
の窓から穂高の一連の岩峰を眺めて過ごす。
西穂からジャンダルム 奥穂 唐沢 北穂そして大キレットを経て南 中 大喰の稜線が池畔のオオシラビソ
の黒影の彼方に浮かび上っていた。2年前、涸沢の紅葉に合わせて初冬に歩いた岩稜の懸崖だ。
(「山行クロニクルNo.4 涸沢の紅葉と初雪の穂高岳」を覗いてみてください)

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夕映えの槍ヶ岳      鏡池の逆さ槍       奥穂から北穂の稜線

 夕食は4時半からの5回転。
聴くとも無しに耳に入ってくる話から、ツアー6団体のうち半分の3団体は笠ヶ岳へ向かうようだ。
これでは明日、笠新道を直接登ってくる組と併せたら 笠の小屋は満杯だろう。
いい年をしていまだに寝つきと寝相の悪い私にとって寝返りも打てないのは拷問に等しい。持参の
ツェルトで小屋外で寝ることになろう。
一昔前は縦走ルートから外れ、登山者の少なかった笠ヶ岳も 深田百名山故の混雑ぶりだ。
気象予報もいまひとつなので、明日の笠ヶ岳へ廻るのを取りやめ下山することに決めた。
持参のブランディが空になったところで就寝。

7.27(日) 曇り のち晴。
 大方の団体が出発した後、ゆっくり6時過ぎ下山にかかる。
秩父沢手前で二人組みの方に追いつき、以降 一緒に歩く。
野草やきのこに詳しい栗駒出身の方に またたびの白い花やサルナシのまだ青い実を教えて貰う。

 わさび平小屋で入山時と同様、冷えたトマトにかぶりつく。6日前の入山時は単価300円が
大きさは変わらないのに200円になっていた。あと1時間降れば100円だが・・・。
新穂高温泉バスターミナルの手前で バスの時刻まで日帰り入浴するという彼等と別れ、下山届けを
出し、車を止めた深山荘の露天風呂に入浴、汗を流した。

 懐かしい歴史ある中崎山荘は昨年で廃業、日帰りの入浴施設に変わるとか・・・、
また バスターミナル前の温泉たまごの設備もなくなっていた。
黒部源流域の山行としては 昨年7月の薬師岳縦走(「山行クロニクルNo.12 立山・室堂~五色が原
~スゴ乗越~薬師岳~太郎兵衛平~折立」)と同様、天候にはさほど恵まれなかったが
源流域を歩いた という満足感は充分であった。

 夕方、4時 浦和帰着。                     (写真はクリックして拡大してください)
  




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三俣蓮華岳山頂      雲間の窓          花見平 

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キバナシャクナゲの群落  タカネヤハズハハコ  イワギキョウ        コバイケイソウ







  
 


















  
















        





テーマ:登山 - ジャンル:スポーツ

秋山郷 と 苗場山
 新潟県と長野県の県境に位置する苗場山には、新潟県側 かぐらみつまたスキー場ゲレンデから
登り、赤湯温泉へ下山するルートが一般的であるが、秋山郷の好きな私は 長野県側、小赤沢からの
コースを選んだ。

P1010010.jpg 
苗場山 山頂の湿原      (写真はクリックして拡大して下さい)

 かって、野沢温泉や奥志賀高原へ旅した帰途、切明、和山、結東などの鄙びた温泉が中津川渓谷
に点在する秋山郷をよく通り抜けた。
新緑や紅葉の季節は殊に美しい奥深い山峡の郷。切明、屋敷や逆巻の一軒宿に妻と湯を楽しんだ
想い出の地でもある。

 この秋山郷については、古く江戸期の名著「北越雪譜」(鈴木牧之著)に
「天明の飢饉に一村残らず餓死し、今は草原の地となりにけり・・・。」 と記されている。
この豪雪地帯は つい2~3年前の大雪でも 孤立の苦労がニュースで伝えられたばかり。
 「北越雪譜」の他に「秋山紀行」がある。同時代、鈴木牧之がこの地を一週間旅し、隔絶された村民
の習俗を取り纏めた書で、我々には読みにくいので現代語訳で読んだことがある。
今では狭隘の細道ながら舗装された道が通じており、当時の面影を求めることは難しいが、山河、畑、
集落はまだまだ昔日の風情を残している。

「山行クロニクル No.21」  苗場山       単独
’08年7月 9日(水) 浦和~関越道塩沢石打IC~津南町~秋山郷・小赤沢(泊)
    7月10日(木) 小赤沢~三合目駐車場~苗場山 山頂ヒュッテ(泊)
    7月11日(金) 山頂ヒュッテ~小赤沢~浦和

7.9(水) 雨。
 ヒノキやトチ、ミズナラなどに囲まれた小赤沢の小集落まで走り、保存民家を覗いたり、小赤沢川
や大瀬の滝を散策したり、鉄分の多い赤褐色の湯を楽しんだ。
今でも木工細工の店が多く、その素朴な調度品はこの辺境の地の肌ざわりを残している。

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保存民家の内部      大瀬の滝         赤い湯

7.10(木) 今日も雨。しかも結構雨脚は強い。
 三合目駐車場でしばらく待機するも好転の兆しが見られないので8時、登山道へ分け入る。
先月の北八つ行で悟ったのでザックは13キロに減らした。しかし、単独行故のツェルトやロープ
自炊用具、救急薬品や非常食は欠かせない。

 ブナ、ミズナラ、ミネカエデなどの混交林の中、雨に打たれながら四合目、五合目と高度を稼ぐ。
小休止に選んだダケカンバやシラビソの木の下はブヨがいっぱい。払っても払っても纏わりつき ちっとも
休みにならない。持参の虫除けスプレーに対しても耐性でもあるのか効かない。
雨水の流れる登山道はゴゼンタチバナやギンリョウソウが眼を楽しませてくれる。何時の山でも囀り
を聴く小鳥達の他にツツドリのポンポンという声を聴く。

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ゴゼンタチバナ      ギンリョウソウ

 冷気が吹き上がる雪に埋もれた沢を渡り、六合目を過ぎると カラマツ類やキヌガサソウなどなど・・
サンカヨウはもう花を散らしていた。

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ミヤマカラマツ       モミジカラマツ       キヌガサソウ

 七合目からはゴロ石の岩場の急登。アカモノやコイワカガミが迎えてくれる。
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アカモノ           コイワカガミ

 雨が少し小降りになった頃、突然 拓けた湿原に飛び出す。丁度 11時。ブヨから逃れホッとして
大休止。雲が低く垂れ込め視界は無い。笹原の向こうにオオシラビソの樹々が黒く壁を作っている。
足元は花弁を散らしたチングルマや色の薄い白色に近いイワカガミなど。

 木道と凍った雪を隙間に詰めたゴロ太石のトラバース道が結構長く続く。
オオシラビソの林を抜け大きな雪田を越えると 広大な山上湿原が展開する。まさしく天上の湿原と
いうに相応しい。

P1000976.jpg P1010010.jpg 山頂の風情

 苗場山名の由来となった池塘のミヤマホタルイ。
曇天の下、ワタスゲに囲まれた鈍色の鏡が無数に散在している。 ワタスゲの楚々とした風情がさらに
静寂さを際立たせてくれる。

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池塘のミヤマホタルイ                  ワタスゲ

 木道脇の湿原は一面のイワイチョウやチングルマが美しい。

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イワイチョウ         チングルマ
 
 山頂ヒュッテ、12時20分着。ここまでとうとう誰にも遇わなかった。
小屋番は一人。今日は 皆、キャンセルの電話が入ったので 宿泊者はあなた一人です 好きな
場所を選んで寝てください とのこと。
100人近く泊まれると思われる改築後間もない白木造りの大部屋は清潔で好もしい。

 外のテラスはブヨが激しく纏わりつきとても自炊をしていられない。食堂に逃げ込み簡単な昼食を
済ます。食後、三角点と山頂標識(2145m)を見に行き、さらに 祓川コース 雷清水近くのお花畑を
目指し散策に出たが 雨が激しくなった為、断念、小屋に戻った。

P1000977.jpg P1010007.jpg P1000996.jpg 
山頂             ウラジロヨウラクツツジ

 手持ち無沙汰な小屋番氏と 最近、登山道が整備された白砂山などの話をし、後は小屋にあった
「牧之と歩く秋山郷」(島津光夫著)を読んで過ごした。
夕映えの神々の田圃は絵になる という最後の期待の一幕も雲と雨のカーテンに閉じられ、持参の
ブランデーを水割りで楽しむだけの静かな山頂の一夜だった。

7.11(金) 曇天。
 今日は地元 津南中学の生徒80人が小赤沢から日帰り登山(恒例の体育行事)してくる という。
トイレを無料開放する代わりに新鮮な野菜を歩荷してきてくれるんです と小屋番氏は嬉しそうだった。
 6時に小屋を出て、雨の落ちないのを幸いに写真を撮りまくる。
六~七合目付近で二組 4人の入山者とすれ違い、情報交換。駐車場間近の四合目で中学生の団体
を遣り過ごす。
10~15人単位で まず男子生徒の2グループ、次いで女子生徒2グループ。引率の先生方に守られ
元気良くズック靴で登ってきた。頂上に着く頃にはドロドロになっていることだろう。赤い頬が印象的な
賑やかな一団だった。

9時30分、三合目駐車場に戻る。
オデコや瞼に5~6箇所、ブヨに刺された跡が赤く腫れて痛い。今日の午後の天気予報も芳しくない
ので 湯沢・平標山へ廻るのを諦め、小赤沢の赤い日帰り湯で汗を流し、帰途に着いた。

 雨に煙る苗場山、天頂の早苗が映える静かな山行だった。

P1000985.jpg P1010027.jpg P1010043.jpg P1010023.jpg 
ミツバオウレン       コイワカガミ        ギンリョウソウ        ウラジロナナカマド
                                        (写真はクリックして拡大して下さい)












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