俄歩
高嶺を歩けなくなったいまでも 「自然と向き合える体力 自然を味わえる感性 自然に応えられる知力を大切にしたい」  という心根は持ち続けていたいものです
プロフィール

俄歩人 (がふと)

Author:俄歩人 (がふと)
高嶺は2013年9月の槍ヶ岳が
最後となりました。
いまは 季節の移ろいを想い出
の地に求めて彷徨しています。
年に一度、写真集「岳と花」を
記載。
(さいたま市 浦和 在住)



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奥裾花
DSC00634.jpg DSC00636.jpg 伝説の谷から一夜山を望む
(写真はクリックして拡大してください)

 信州安曇野から白馬村を経て日本海糸魚川市へ抜ける「糸魚川街道」と
長野市から野尻湖を経て日本海上越市へ抜ける「北国街道」に挟まれた
北信五岳(戸隠山 飯縄山 黒姫山 斑尾山 妙高山)や頸城山塊(火打山
金山 雨飾山など)の峰々を縫う林道に 若い頃歩いた2ヵ所の勝地がある。

 ひとつは 小谷温泉から乙見山峠を越えて笹ヶ峰牧場・妙高高原へ抜ける道。
もうひとつは 白馬村から奥裾花の渓谷と湿原をめぐり 僻村伝説の里・
鬼無里(きなさ)を経て 大望峠を越えて戸隠高原へ抜ける道である。
後者 奥裾花は 30年ほど前に「日本の秘境100選」にも選ばれている。
(月別アーカイブ 2016年5月記:閑居(100選))

 この奥裾花の紅葉と戸隠の新そばを味わいに 秋の小さな旅を妻と楽しむ。
2016.10.19(水)浦和~長野~鬼無里~奥裾花~戸隠(泊)
     10.20(木)戸隠~小布施~上田~美ヶ原~岡谷~浦和

 長野市から裾花川に沿って白馬村へ抜ける国道406号線を鬼無里まで。
長野冬季オリンピックのため白馬村まで道路が整備されたこともあって
ここ鬼無里も随分と町になった。
 50年以上もの昔、訪れた時は里じゅう村社で満ちた集落というイメージが
残っている。
この里から さらに裾花川源流 行きどまりの奥裾花への道では
数軒だけの集落の佇まい 個々の家の造りなど その静けさがうれしかったし、
細くうねって流れる渓谷と相まって 山の懐にしっかりと抱きかかえられた
感じが好もしかった。
しかし ちょっと陽光が翳ると一気に淋しさが募るような眺めでもあった。

DSC00611.jpg DSC00613.jpg DSC00615.jpg
裾花川渓谷の秋

 来し方に想いをいたすと 様々な形で失われてしまったものを感じ、
残されたもののみが凝縮されていることに改めて気づく。
陽気な妻とトレッキング道を彩る景観に それぞれコメントしながらも
互いに意識する。

DSC00618.jpg DSC00626.jpg DSC00620.jpg DSC00627.jpg


DSC00621.jpg DSC00623.jpg DSC00625.jpg 花と渓と池

 鬼無里の春祭りが終わるこ頃、この奥裾花は水芭蕉を愛でるトレッカーで
賑わうが、錦秋の平日はまことに静かだった。


 
 鬼無里の祭屋台、木地を生かした「一木彫り」による透かし彫りが見事。

DSC00629.jpg DSC00631.jpg DSC00632.jpg 祭屋台



 新そばに舌鼓を打ち、峠を越えて戸隠へ抜ける山道に入る。
大望峠で小休止。

DSC00636_2016102116272983f.jpg DSC00634_2016102116281411d.jpg 大望峠

 北アルプスの雄大な眺望は雲で得られなかったが、この峠を越えると
戸隠神社宝光社である。

DSC00637.jpg DSC00638.jpg 戸隠中社

 中社に詣で さらに奥社に向かう。
さすがに景観と味覚を味わう旅行客で賑わっている。


DSC00640.jpg DSC00646.jpg     DSC00656.jpg DSC00652.jpg
奥社の森

DSC00642.jpg      DSC00645.jpg 奥社の杉並木


DSC00651.jpg DSC00644.jpg 奥社と修験の峰・戸隠山を仰ぐ

 5~6キロの秋道を愉しみ、その日は中社の宿坊へ。

DSC00639.jpg 宿坊


 翌日は まだ「美ヶ原」を歩いたことがない妻に高原美をと・・・、
美ヶ原公園西内線を登り、牛伏山周辺を散策、 ヴィーナスラインを降り
岡谷・諏訪湖を経て帰宅 小さな旅を終えた。

DSC00659.jpg 白樺の林

 四季それぞれに独特の美を表現する白樺林は いかにも女性好み。
私は同じ樺でも岳樺の雄々しさの方を好む。秋の彩りと冬の逞しさにその違いが現れるが
単に 山を歩く者の偏見かもしれない・・・。

DSC00661.jpg DSC00663.jpg 色づき始めたカラマツとサルオガセ

DSC00664.jpg DSC00665.jpg DSC00672.jpg 美ヶ原

DSC00666.jpg DSC00667.jpg DSC00670.jpg ヴィーナスラインの紅葉

DSC00673.jpg 諏訪湖


 昔の交通の要所で伝説の里・鬼無里は町なかは大きく変わったものの
集落ごとの村社は地元の方々に守られ、かっての雰囲気が残されていた。

(2016.10.19~20 ドライブ&トレッキング 走行距離720キロ 歩行距離12キロ)








































霧降高原
 郊外で少しのんびり過ごしたいという妻の要望を受けて
梅雨空のもと 栃木・日光方面へ。
霧のヴェールに包まれ小雨に濡れるニッコウキスゲの群落を楽しみ、
奥日光湯の湖畔の濁り湯を浴びてこようと東北道を走った。
車窓をマタタビの白い葉とヤマボウシの白い花が流れていく。

 標高1300mを超えると 濃く薄く白い濃淡の霧が流れ、
高原の雰囲気が醸し出される。
まだ静かな駐車場でレインギアを身に着け、キスゲ平園地の名物
1445段の木の回廊を登りはじめる。
妻は大丈夫と笑顔で胸を張っているが、最後までこの笑顔が持つように
サポートに努めねば・・・。


DSC00464.jpg DSC00475.jpg DSC00465.jpg DSC00467.jpg
(写真はクリックして拡大してください)

 篠つく雨とまとわりつく羽衣のような霧、ニッコウキスゲがユウスゲのような風情で
視界に広がる。
絨毯のように斜面を覆う笹についた雨滴も 銀の滴を転がしている。

DSC00473.jpg DSC00476.jpg DSC00478.jpg

DSC00470.jpg DSC00469.jpg 1445段を登りきる

 まさに「霧降」の名に相応しい絵図となった高原の回廊であった。

DSC00479.jpg ミヤマカラマツ

 温泉で身体をほぐし、実山椒とたまり漬をそれぞれの老舗で買い求め
帰途についた。
                                  ヤマボウシ DSC00480.jpg
(2016.6.29 歩く)




過去記事の中のキスゲ風景
P1020731_20160630105357e6b.jpg 鳥海山 (2011年7月)
P1050700_20160630105714457.jpg 雄国沼 (2014年6月)
DSC00376_2016063010591258a.jpg 佐渡外海府 (2016年6月)





       










佐渡
 大佐渡山地のトレッキングと外海府の海崖美を楽しみに日本海の離島・佐渡に
渡った。

DSC00342.jpg DSC00364.jpg DSC00390.jpg
東海岸姫埼灯台      ドンデン高原       外海府海岸 (写真はクリックして拡大してください)

 同行は学生時代からの友人 Mさん、昨秋の那須岳以来である。
梅雨入り直前とて 空模様が気になっていたが、山も海も晴天に恵まれ 島を一周、
まさに物見遊山の旅となった。
                              DSC00426.jpg 全島図

6.1(水) さいたま市浦和~関越自動車道~新潟市(泊)
6.2(木) 新潟港~佐渡両津港~ドンデン高原トレッキング~山荘(泊)
6.3(金) 山荘~内海府海岸~大野亀~尖閣湾~佐渡金山・奉行所跡~相川温泉・七浦海岸(泊)
6.4(土) 七浦海岸~宿根木~矢島・経島~赤泊~姫埼灯台~両津港~新潟港~浦和

 カーフェリー佐渡汽船おけさ丸に車を積み、両津港下船後トンデン山へ。

DSC00343.jpg 山荘テラスから望む両津湾と加茂湖 正面の山塊は小佐渡山地

 タダラ峰~尻立山~ドンデン池~金北縦走路入り口~ドンデン山荘 と
静かな高原を2時間の散策。
やはりここ佐渡でも今年は雪解けが早く、既にお目当ての花のいくつかは終わっていたが
トレッキングトレイルは 満開のタニウツギ、レンゲツツジ、ウラジロヨウラクが
生垣のように迫り、足元では小さなチゴユリ、エゾキジムシロ、オオイワカガミ、エンレイソウ
などが小路を彩っていた。

DSC00347.jpg DSC00349.jpg DSC00362.jpg DSC00365.jpg
ドンデン高原トレイル

DSC00345.jpg DSC00351.jpg DSC00353.jpg DSC00360.jpg
タニウツギ         ウラジロヨウラク      ミヤマオダマキ       オオイワカガミ

 尻立山(940m)山頂からは 外洋と内湾が異なる青さを見せてくれた。
例年、ドンデン池周辺で放牧されている食肉牛の姿はなく ウグイスやコマドリの
囀りが耳に心地よく響く。

DSC00354.jpg DSC00359.jpg DSC00363.jpg
尻立山            ドンデン池         両津湾

DSC00369.jpg DSC00373.jpg 大佐渡山地の最高峰 金北山(1172m)


 山荘泊の翌日は 内海府海岸を北上、トビシマカンゾウの群落が美しい
大野亀を歩く。

DSC00376.jpg DSC00379.jpg DSC00382.jpg
標高167mの一枚岩・大野亀             二つ亀方面の海岸線

DSC00387.jpg DSC00383.jpg オドリコソウと大野亀頂上

 このトビシマカンゾウの群生地から 尖閣湾まで日本海に面した外海府海岸の
岩礁美と群青色の海の変化を飽かず楽しむ。

DSC00390_201606052123325f9.jpg 透明度の高い外海府海岸

DSC00392.jpg DSC00393.jpg 尖閣湾

 海岸美を堪能した後、内陸部に入り 佐渡金山と同奉行所跡の史跡を見学。
再び 島の南へ海岸を走り 夕陽の美しさで知られた相川温泉・七浦海岸に宿をとった。

佐渡金山
DSC00394.jpg DSC00395.jpg 江戸時代の再現

DSC00397.jpg      DSC00406.jpg DSC00407.jpg 明治期の遺構
(大立堅坑)          (浮遊選鉱場)



七浦海岸
DSC00412.jpg 夫婦岩

DSC00413.jpg DSC00414.jpg DSC00415.jpg
塩工房            強風と波しぶきを避ける漁村の集落

DSC00422.jpg DSC00425.jpg 日本海に沈む夕陽

DSC00428_201606052202070ed.jpg 翌朝の長閑な海岸


 俗に ここ佐渡の文化は 「国仲地区の公家文化」「相川地区の武家文化」そして
「小木地区の町人文化」と言われているとのこと。
最終日は その小木地区・宿根木で復元された千石船と衣食住の民俗文化財を
資料館で学び、景勝地 矢島・経島で名物の「たらい舟」で遊ぶ。

DSC00430.jpg DSC00431.jpg 復元された千石船の舳先と艫

DSC00435.jpg DSC00436.jpg 宿根木集落の民家

DSC00443.jpg たらい舟

 たらい舟にまつわる島の娘と島外の男を語った浪曲「佐渡情話」の碑が経島にあった。
来島時、フェリーで両津港に回り込むときに眺めた姫埼灯台を経て 再び両津港へ戻り、
佐渡一周の旅を終えた。

DSC00444.jpg



 自然美以外にも 歴史上名の残る離島が多い中で、ここ佐渡は一度は訪れてみたい
島のひとつであった。
宿泊した相川地区では翌日から 金山が栄えた江戸時代から継承されている京町流し
「宵の舞」が行われるとか。また初夏には 流人・世阿弥の影響による薪能が各地で演じられ、
島は賑やかな季節を迎えることだろう。

DSC00352.jpg
 尻立山の稜線に たった一株の紅色の花、なんとハマナスが咲いていた。
登山靴の底についていたか鳥が運んだ種が定着したものであろう。
思わず蒼い外洋に眼を細め遠く北の大地に想いを馳せたひとときであった。

(写真はクリックして拡大してください)



 








 










 























      



浜石岳
DSC00117.jpg 山頂からの白富士  (写真はクリックして拡大してください)

 数日前の戻り寒波で高嶺に再び雪が戻ったと聞き、白さを取り戻した富士を眺めようと、
駿河湾の西 静岡市に近い由比の浜近くの小峰、浜石岳を訪れた。
 標高わずか707mながら、大きな白富士と春霞の駿河湾の眺望が美しい峰であった。
愛鷹山塊 越前岳からの大きな白富士(2010年1月)が想い出された。

DSC00131.jpg 東海自然歩道

DSC00118.jpg 白富士

DSC00121.jpg DSC00126.jpg DSC00122.jpg
春霞の駿河湾                     高ドッキョ・南アルプス深南部方面


 帰途、富士市の「浮島が原自然公園」に立ち寄る。
ここはブログ友人 キレンゲショウマhttp://zeolite3.blog4.fc2.com/さんの春夏秋冬の自然観察会
のレポに詳しい。
 この季節、絶滅危惧種のノウルシやヒキノカサの黄色い小花が見られるとか。

DSC00134.jpg 浮島が原から望む愛鷹山塊

DSC00137.jpg DSC00139.jpg ノウルシ

DSC00140.jpg DSC00152.jpg DSC00145.jpg 浮島が原 点描

 キンポウゲ科のヒキノカサ(蛙の傘)は木道から遠く コンデジでは撮れなかった。
この湿原に憩う野鳥を観察に来ている方が数人、無風で静かなひととき。
ここでみられる「サワトラノオ」は富士市の天然記念物に指定されたという。

(2016年3月16日 歩く)






筑波山
 孫娘Meiが我が家に遊びに来た土曜日、
夕方まで天候がもつとの予報に 妻と三人で筑波山へ向かった。

P1060681.jpg P1060683.jpg
山麓の神社にお参りし  山頂を仰ぐ           (写真はクリックして拡大して下さい)

 双耳の男体山と女体山の鞍部にある登山ケーブルの山頂駅に着いたのは既に午後1時過ぎ、
西に傾きはじめた冬の柔らかな陽光にくるまれてMeiは ヤッケも脱ぎ
景色と山道を楽しんでいる。
しかし、気温は2度 日陰の山道には霜柱がまだ凍っていた。

P1060687.jpg    P1060688.jpg P1060690.jpg P1060694.jpg
登山道                           女体山(877m)山頂

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男体山山頂         関東平野を見下ろす


 高尾山、立山雄山に次いで三度目の孫娘Meiとの山歩き、
自然に接する彼女の視点も増え、スマホカメラを向ける対象も随分と多様になった。
樹林の木洩れ日、透明な青空に映える霧氷、山道の霜、奇妙な岩、そして
眼下に広がるパッチワークの関東平野・・・。
 カモシカのような孫娘の後を妻と追いながら 楽しく歩いた山道だった。

P1060703.jpg 散り始めた蝋梅       (2016.1.16 歩く)




 私のPCに転送してもらった孫娘Meiの現代風?な写真

IMG_1032.jpg IMG_1031.jpg FullSizeRender.jpg IMG_1034.jpg
下界を望む         霧氷              霜柱        木洩れ日




 

那須岳
 近場ゆえ幾度となく歩いている那須岳、前回のような錦絵を期待し訪れたが、
今年は既に紅葉のピークは過ぎていた。

過去の紅葉(’07年10月)   (写真はクリックして拡大して下さい)
DSCF1603_20151018214659869.jpg DSCF1586_20151018214759e7f.jpg

 1300年の開湯歴史を持つ「鹿の湯」(単純酸性硫黄泉)を源泉とする湯宿に前泊。
     
P1060513.jpg P1060515.jpg

 天候はやや下り坂との予報のなか、
ロープウエイで山頂駅まで観光客に交じって標高を稼ぎ、

P1060517.jpg

山頂駅~茶臼岳~峰の茶屋跡~剣ヶ峰~朝日岳~熊見曽根~隠居倉~三斗小屋温泉
~姥ヶ平~牛ケ首~山頂駅 の周回ルートを楽しむ。
同行は昨年秋、北八ヶ岳散策を共にした友人Michelleこと、Mさん。

 砂礫の斜面を登り 巨石帯を越え、那須岳神社の小さな祠が鎮座する那須岳山頂
視界は雲にさえぎられ 日光連山も吾妻連峰も また指呼の間の三本槍岳から大白森山への
稜線も見えなかった。

P1060521.jpg P1060528.jpg
茶臼岳 山頂        北面の茶臼岳

 小休止後、御鉢をまわり峰の茶屋跡へ。
鞍部で風の通り道の茶屋跡を過ぎると少し視界が拓け、
名残りの錦が眼前に、そして 剣ヶ峰の怪峰が頭上に浮びあがる。


P1060524.jpg P1060526.jpg 名残りの錦と剣ヶ峰

 唯一の難所 北側に切れ落ちた鎖場をトラバースし 朝日の肩で昼食。
朝日岳の山頂往復に励むMさんを眺めながら、紫煙をゆっくり楽しむ。

P1060530.jpg 朝日岳を登るMさん

 その後さらに北へ向い 熊見曽根への登りを経て隠居倉への
ハイマツの稜線を満喫する。南北アルプスのように2500mの森林限界を越えることなく
1800m前後の標高でも見られるハイマツ、那須岳では最も景観を楽しめる歩きである。
茶臼岳~剣ヶ峰~朝日岳の荒々しい北面を左の目で、
堂々とした塊りの三本槍岳を右の目に・・・。
さらに隠居倉からは 姥ヶ平の名残りの紅葉を覗きこむ。

P1060536.jpg P1060537.jpg P1060538.jpg
茶臼岳(1897m)・剣ヶ峰・朝日岳(1896m)と歩いた北面のルート

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三本槍岳           隠居倉への登り

 ドウダンツツジの真紅は既になく、わずかに残ったカエデの赤とダケカンバの黄葉と白木が
淡いパステル調で 緑のハイマツとクマザサのカンバスに色を刷いている。
まさに落ち着いた旅情を北風の中に感じさせてくれる風景。

P1060541.jpg P1060542.jpg 姥ヶ平を見下ろす

 蒸気の吹きあがる三斗小屋温泉の源泉を覗き、温泉神社を経て温泉小屋へ。
いつもの宿、大黒屋の予約はとれず 今回は煙草屋に登山靴を脱ぐ。
小屋脇のカラマツも既に金の針をつけていた。

P1060543.jpg P1060545.jpg P1060547.jpg P1060548.jpg
源泉の蒸気と周辺の秋模様


 翌日、しのつく氷雨のなか、姥ヶ平への道を辿る。
暗褐色になった広葉樹の足元にシラタマノキの白い実が冴える姥ヶ平、
牛ケ首への登り返しに汗をかき 雨と風とガスに揉まれながら再びロープウエイ山頂駅へ。

P1060552.jpg P1060553.jpg P1060554.jpg 姥ヶ平への山道

P1060556.jpg     P1060557.jpg    P1060558.jpg
御沢             落葉の道


 この地域特有の目まぐるしく変わる天候のもと 雲と噴煙に巻かれながらも
去り往く秋の風情に浸れた山旅であった。

P1060561.jpg 那須高原を見下ろす

’15.10.16~10.17歩く (写真はクリックして拡大して下さい)





















平標山
P1060245.jpg P1060251.jpg P1060258.jpg(写真はクリックして拡大して下さい)

山行クロニクル No.105  平標山(1983m)
’15.6.12(金) 浦和=関越道湯沢IC=平標山登山口~岩魚沢林道~平元新道~平標山の家(泊)
    6.13(土) 山の家~平標山~松手山~登山口=三国峠=関越道月夜野IC=浦和

 越後方面は梅雨の晴れ間が覗くとの予報に 所用を済ませて関越道湯沢ICまで走る。
谷川連嶺の西端、平標山周辺の花を求めて 夕方までに山の家に着こうと平標山登山口に駐車。

P1060233_201506151121433b7.jpg 平標山(たいらっぴょうやま)登山口駐車場


 午後1時、沢沿いの林道 岩魚沢林道を歩きはじめる。
ギンリョウソウが目につく沢沿いは緑に溢れ、タニウツギの花がこぼれおちるように咲き誇っていた。

P1060234.jpg P1060236.jpg P1060235.jpg P1060238.jpg
                           ギンリョウソウ        タニウツギ

 林道終点からは延々と続く木の階段で整備された平元新道の急登。
いまの私の体力ではとてもコースタイムどおりでは歩けない。
足元のセリバオウレンや時折のオトシブミに視線をさまよわせて、ミズナラやブナ・ダケカンバの林を
ひたすら登る。

P1060239.jpg P1060241.jpg 平元新道

P1060240.jpg オトシブミ(オトシブミ科の昆虫の卵がひとつ揺籃されている)

 7~8年前に建て替えられた清潔な「平標山の家」、
収容能力25人と小さいが、展望と周辺環境に恵まれた小屋である。
今宵の宿泊者は14人、明日 三国山を経て下山する7人の団体、仙の倉山に向かう女性3人組とご夫妻
それに私と同じ単独行の男性。
この単独行のまだ50代と思われる男性、明日は平標山~仙の倉岳~万太郎山~オジカ沢ノ頭を越えて
谷川岳の肩の小屋まで歩くとのこと。
コースタイム約10時間、途中の休憩を含むと12時間近くを要する稜線歩きとなることだろう。
暮ゆく山並みを眺めながらビール片手に 健脚の彼とは話が弾んだ。

P1060245_2015061509280823c.jpg P1060247.jpg P1060248.jpg
平標山           仙の倉山          万太郎山     


P1060249.jpg P1060253.jpg
平標山の家

 翌朝 西から次々と雲が押し寄せてくるが、時折、太陽が雲間にレンブラント光線を射し、
雪田が明るく輝く。
のんびり6時半、平標山に向けて 再び笹原を切開けた木の階段を登り始める。

P1060259.jpg 笹原の切明けを往く

 イワカガミ、ハクサンコザクラ、ツマトリソウ、チングルマなどが咲き乱れ、
雪の消えた湿原には まだショウジョウバカマが残っていた。

P1060256.jpg P1060258_20150615094828047.jpg
イワカガミ          ハクサンコザクラ

 標高1983m、平標山山頂。
霞の中に谷川連嶺を見渡す。指呼の間に仙の倉山、その東に万太郎山、耳二つの谷川岳、
一の倉岳、茂倉岳などが墨絵のように連なっている。
4時前に早立ちした単独行の彼は エビス大黒の頭を越えてはや万太郎山のヤセ尾根に
かかっている頃かも。風は立っているがこの空模様なら十分楽しんでいらっしゃることだろう。

P1060261.jpg 平標山 山頂

P1060264.jpg 仙の倉山、奥に万太郎山・谷川岳・一の倉岳が霞む

P1060262.jpg P1060266.jpg P1060267.jpg
土樽方面          三国山方面        残雪の苗場山方面

 残雪の苗場山を眺め、雨の山上田圃を楽しんだ好きな秋山郷小赤沢からの
山旅(苗場山’08年7月)を想い出す。
土曜日とて 次から次へと松手山や土樽からの登山者が登頂してくる。
皆、谷川連嶺最高峰の仙の倉山(2026m)へと向かう。
 小一時間 山頂でコーヒーを楽しみ、仙の倉への往復を取りやめ 苗場山に惹かれるように
松手山への降路を辿る。

P1060269.jpg 松手山への花の稜線

 さすがに花の山、ヨツバシオガマ、オノエラン、ハクサンイチゲ、コケモモ、ミヤマカラマツ、
アカモノ、シャクナゲ、ウラジロヨウラクなどなど・・・、コバイケイソウの花芽も膨らみ始めていた。

P1060272.jpg P1060274.jpg P1060281.jpg
ヨツバシオガマ       オノエラン         コケモモ

P1060277.jpg P1060276.jpg
ハクサンイチゲ

P1060283.jpg P1060292.jpg P1060293.jpg
ミヤマカラマツ       アカモノ(イワハゼ)    シャクナゲ

 松手山コースを登ってくる方々から 急登ゆえの息継ぎの間に この花は何という名前ですか?と
聞かれることも多く、下山はすれ違いのための停滞の連続であった。

P1060284.jpg 平標山へ向かう登山者の列
 松手山山頂まで おそらく200人前後の登山者を見送ったと思う

P1060290.jpg 松手山 山頂

 この谷川連嶺に足を踏み入れたのは 7年前の夏、谷川岳~一の倉岳~茂倉岳~武能岳~蓬峠と
馬蹄形縦走の半分を歩いて以来であった。(谷川岳’08年8月)http://yoshiyama.blog115.fc2.com/blog-date-200808.html
 暑い季節ではあるが 何処を歩いても谷川連嶺の尾根道は花で溢れている。
(写真はクリックして拡大して下さい)

 

































御坂・釈迦ヶ岳
P1060215.jpg P1060226.jpg     (写真はクリックして拡大して下さい)

 新緑の薫風に立ち 富士を眺めようと富士五湖地方へ。
この季節、午後になると水蒸気が立ち込め視界が悪くなり、さらに富士山頂も雲に巻かれることが
多い。
なんとか午前中に黒岳(1792m)、その後 午後は釈迦ヶ岳(1641m)を歩くつもりで
山梨県の御坂山塊の 両山の鞍部に位置する日向坂峠(どんべえ峠)へ向かった。
が、あいにく中央自動車道は集中工事のための規制がかかり大渋滞。
峠へ着いた時は既に12時を回っていた。
やはり 富士山頂には雲がかかり 秀峰の姿も霞に揺らいでいた。

山行クロニクル No.104 御坂・釈迦ヶ岳    ( ’15.5.26 歩く )

P1060232.jpg 登山口 日向坂峠(どんべえ峠)

 黒岳を取りやめ 釈迦ヶ岳への登山道に分け入る。
ミズナラ、カエデ、ツツジ、オオカメノキ、リョウブ、ブナなどの混交林、所々にカラマツが
点在する登山道は 目にやさしい新緑のトンネル。
ピーツピー、ツピーとシジュウカラの囀り、それを打ち消すかのようなハルゼミの大合唱。
足元には ハルリンドウ、ヒトリシズカ、マイズルソウなど 小さな花がポツポツ。

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 木洩れ日とハルゼミの喧噪のなか 尾根を渡る薫風に救われる。

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府駒山 山頂        笛吹市方面         釈迦ヶ岳山頂を覗く


P1060212.jpg P1060213.jpg 3ヶ所ほどあらわれるロープ場

 府駒山(1562m)を越え アップダウンを繰り返し、
釈迦ヶ岳山頂直下のロープ場で 下山中の同世代のご夫妻と立ち話。
やはり午前中に黒岳を歩き、その足で釈迦ヶ岳を登ってきたとのこと、
暑さに疲労の色が濃い妻女を労わりながらの下山であった。

 3ヶ所のロープの下がる急登をこなすと 全方位に視界のひろがる山頂、
雰囲気は良い。

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                        三つ峠山 と 黒岳


P1060220.jpg 山頂標識 

P1060219.jpg 地蔵と富士

P1060221.jpg P1060223.jpg 周囲の峰々

 肉眼では遠く八ヶ岳や大菩薩嶺、金峰山から甲武信岳などの奥秩父の峰々を識別
できるが、コンデジでは霞の中に沈んでしまう。
この季節の午後の富士は ただただ茫洋とふやけて大きいだけでどうにもならなかった。
残念。


P1060229.jpg P1060231.jpg ミズナラの瘤    (写真はクリックして拡大して下さい)











 








       







 




物見岩
P1060193.jpg 神津牧場の牧草地と西上州の岩峰群   (写真はクリックして拡大して下さい)

 上州(群馬県)、とりわけ西上州からはヒトツバナ(アカヤシオ)祭りの便りが聞こえてきた。
碧岩や立岩の岩峰を歩いた折にお世話になった宿からも「これからが見頃です」と
連絡が入った。
 これ等の岩峰は 孫娘を連れて歩くにはいささか危険な岩尾根なので、
以前連れて歩いた神津牧場周辺でも・・・と、週末我が家に泊りに来ていた孫娘Meiを
誘ってみたが、あっさりと断られてしまった。

 ひとりで歩くなら平日の静かな時に・・・と、姫街道から荒船山の艫岩を見上げ、
神津牧場に車を止め 荒船風穴と物見岩を散策した。

P1060184.jpg 荒船山の艫岩

 「荒船の風穴」は 富士の裾野や山岳各地に見られる自然現象で形作られた 冷気が
吹き出す風穴ではなく、人の手によって天然の冷気を利用するために掘られたもので、
昨年、世界文化遺産として登録された「富岡製糸場と絹産業遺産群」に位置づけられた遺構
のひとつ。
「蚕種(蚕の卵)を冷蔵貯蔵」するための文化的な施設である。
 山あいの冷気が吹きだす谷筋に掘られ、周囲を石積みで四角く囲った大穴で
昭和初期まで利用されていたとのこと。

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冷気の吹き出し口と冷蔵貯蔵するための石積みの大穴

P1060188.jpg 筒鳥の声が静かに響く風穴の里




P1060196.jpg P1060194.jpg 物見岩への登山道

 牧場から物見岩への登りでは 木々の新芽はまだ固く、中腹の雑木林は
灰褐色のままであった。

P1060195.jpg 物見岩の三角点(1315m)

 はやくも夏日をおもわせる暑い日差しのもと、風が心地よく渡る物見岩で 周囲を眺めながら
しばし休息する。

P1060197.jpg P1060198.jpg P1060201.jpg
指呼の間の物見山  雪面を残す前掛山・浅間山  高岩方面

P1060203.jpg P1060204.jpg 東に神津牧場 南に内山牧場を見下ろす

 暖められた大地からの水蒸気の靄に包まれ 判然としない高嶺と同じように
この先の私の山行計画は漠然としている。
 行楽シーズンを迎え 忙しく立ち働く牧場の方々を眺めながら、
仔馬の背にこわごわしがみつき 牛の行進にしり込みし バター作りに汗を流していた
まだ幼かった当時の孫娘の姿を想い出した日でもあった。




P1060190.jpg P1060189.jpg 神津牧場

(’15.4.27 歩く   写真はクリックして拡大して下さい)











坪山
P1060168.jpg ヒカゲツツジ   (写真はクリックして拡大して下さい)

 近郊の峰のミツバツツジやレンゲツツジの映像が届くなか、あでやかさは無くとも
清楚な色と姿のヒカゲツツジの群落を訪れようと、東京都の小菅村と山梨県上野原市
の境に小さく聳える坪山(1102m)に向かった。

 この峰は可憐なイワウチワと清楚なヒカゲツツジの群生で知られ、3年前に
歩いたことがある。
山頂からは 大菩薩嶺や白富士が望まれた。(拙ブログ2012年4月 記載)
 その時は まだ膨らんだ花芽のみの姿に残念な想いを抱く一方、
イワウチワの可憐な群落に心和む想いを味わったものだった。

 上野原~丹波山線の飯尾の里に車を止め、歩く支度をしていると
通りかかった里人が「今朝は大型観光バスが2台も来て 大勢のハイカーが
登っていき、朝から賑やかでしたよ」と教えてくれた。
小川沿いの道路わきには既に乗用車が20台以上、併せると平日でも相当な人数が
この小さな峰を歩いていることになる。狭い山頂は埋め尽くされてしまうことだろう。

 今年のヒカゲツツジの具合を尋ねると 残念そうに「冬の大雪により花つきも
よくなかったし、この4月初めの春の雪でさらにダメージを受けてしまった」と言う。
今回も駄目だったかと気落ちしたが、ともかく群生地まで確かめに往こうと
足を踏み出す。

P1060158.jpg P1060181.jpg P1060183.jpg 飯尾の里

 まさに春うらら、長閑な飯尾の里を抜け登山道に踏み入る。

登山道 点描
P1060160.jpg    P1060179.jpg P1060163.jpg P1060176.jpg

P1060162.jpg P1060178.jpg

 小さな沢を渡り フデリンドウやヒトリシズカ、スミレなどが縁取る小路を歩き
新緑を楽しみながら西尾根の急登をこなす。

 イワウチワの群生地に入るも やはり大雪のためか ウチワの葉も小さく 花は
既に終わっていた。わずかに咲き残った一株に見入る。

P1060175.jpg 名残りの一輪

 緑がかった淡い黄色のヒカゲツツジ、高嶺のキバナシャクナゲを彷彿とさせる花の姿で
シャクナゲ科に属する。
残念ながら 里人が教えてくれたような有様だった。

P1060166.jpg P1060168_20150423112506121.jpg P1060169.jpg

P1060171.jpg P1060172.jpg P1060173.jpg P1060167.jpg

 しばらくこのやるせない風情のなかに佇んだあと 踵を返した。
帰途は 鶴峠を越え 小菅村を散策、里山の幸を入手して帰宅した。
(’15.4.22 歩く)

追記:’12年のイワウチワ
P1030664_20150423113251021.jpg P1030644_20150423113344630.jpg        (写真はクリックして拡大してください)